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新発見でるか!?惑星科学カンファレンス開催、その内容を大胆予想!!

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新発見でるか!?惑星科学カンファレンス開催、その内容を大胆予想!!

「科学者って一体何をしているの?」という素朴な疑問をお持ちの方もいるだろうか。簡単に言うと「研究をして」それを「発表する」ことの繰り返しである。そして、その発表する場はざっくり「論文」と「学会・会議」に分けられる。

よって科学者にとって学会への参加は、(出張ができるというだけでなく)新しい研究発表を行えたり、聞けたりするという点で、楽しみなことが多いのである。

そして、12月5日〜9日、米国カリフォルニア州で国際会議「Kepler First Science Conference(※1)」が開催される。この会議、注目に値するので、紹介しておこう。

何が注目に値するかと言うと、太陽系外惑星を発見することのみを目的にNASAが2009年3月に打ち上げたKepler宇宙望遠鏡についての、「初めて」の国際会議なのである。よって、この会議で「何かおもしろい発表」があってもおかしくはない。

そこで今回、「理の惑星」の研究者2人に「何かおもしろい発表」がありそうかの予想してもらった。

荻原正博(名古屋大学・理学博士)氏の予想

それでは、荻原のこの会議のハイライトとなるべき内容の予想を発表しよう。よくわからないので、3つ挙げさせてもらったので、3位から発表しよう。

では、まず3位!競馬で言えば、大穴!

「連星周りに惑星発見」

今年の9月に米国で開催された国際会議"EXTREME SOLAR SYSTEMS II(※2)"において、連星の周りをまわる惑星が初めて発見されたという発表があり、Kepler望遠鏡の関係者は大いに盛り上がっていた。インパクトは欠けるがあの盛り上がりを引きずって、更にもう1つ発表というのもあるかもしれない。
ちなみに、大穴中の大穴で、かつ私が期待しているのは「太陽系外に衛星を発見」だが、どうもそんな兆しは無いので、敢えて選ばなかった。

次に、2位!競馬で言えば、対抗!

「地球と同質量の惑星発見」

これまで発見された惑星は、もっとも軽いものでも2倍の地球質量くらいはある。「2倍」という違いはほとんど無視してよくて「地球と同じ」とも言えるのだが、今回この最小記録を塗り替えてくる可能性があるかもしれない。ただし、これは難しそうなので、1位にはしなかった。
また、「太陽のような恒星の周りで、地球と同じくらいの軌道をもつ惑星発見」を期待したいところだが、これはKeplerの観測期間から考えて、更に難しいのではと私は思う。

では、1位!競馬で言えば、本命!

「まじめな統計的な考察からわかること」

「ある特定の惑星を発見した」というような発表でなく、より科学的な考察からの発表が最も注目されるのではないかと私は予想する。例えば、「恒星の何割くらいに地球のような惑星が存在するか?」に対する答えを最新のデータから導き出してくるのではないだろうか。
Kepler宇宙望遠鏡の注目すべき点は、個々の惑星を詳しく調べるというより、これまでとは比べ物にならない程多くの観測を行うということにある。 実は、これまでも「恒星の何割が『地球』を持つか?」について、議論は行われており、Keplerの観測から示唆される値と地上からの観測によって導き出される値は一致しないということが明らかになってきている。 今回、Keplerの観測によって最新の値が導き出され、それは大きな意味を持つであろう。「生命発見」や「地球発見」ではないという点で面白みに欠けると思われるかもしれないが、科学者的にはワクワクするところなのである。

原川紘季(東京工業大学 地球惑星科学専攻)氏の予想

これから書くのは根拠のないただの予想である。
たとえこの予想が外れて何らかの損害を被っても責任の所在はどこにもないので、ご注意願いたい。

まず、予想しろと言われて真っ先に頭に浮かぶのは、「温度が低い恒星を周る 地球サイズのハビタブル惑星」だろうか。
ハビタブル惑星とは、液体の水が存在できうる条件が揃った惑星である。中心星との距離が「ちょうどよい(※3)」惑星のことだ。

Keplerの観測で分かるのは惑星のサイズだけだが、それに別の観測を組み合わせて質量を求めてくるかもしれない。(これは相当難しい)

また、最近では可視光よりも少し波長の長い近赤外線で、温度の低い恒星を周る惑星を探そうという話題が増えてきている。

温度の低い恒星の「ハビタブルゾーン(ちょうどよい温度になる領域)」は非常に中心星に近い位置にある。
中心星に近い惑星は検出されやすいので、結果的にハビタブル惑星が見つかりやすいということだ。

今回の会議ではそれに関連した話題にも触れられることだろう。ただし、まだまだ発展途上なので、新しい惑星の発見ではなく、観測機器の構想や、測定精度の向上など、マニアックな話題になるかもしれないが、将来的に観測が開始されると、ハビタブル惑星が次々に見つかるかもしれない。

また、惑星の性質を議論する際には、これまでに見つかった惑星との比較や、統計的性質から惑星がどのような物理過程で形成されるものなのか、などの議論がなされるが、これについては今回は省くことにした。なぜならオッズがほぼ1倍となってしまうからである。

おわりに

いかがだろうか。
どちらの科学者も、「地球と同じサイズの惑星」が発見されるのではという予想については一致していた。これは何も当てずっぽうで書いているのではなく、Keplerという望遠鏡のスペックでこの程度のサイズの惑星が見つかるだろうという期待ができるからだ。

1995年に系外惑星が見つかるまでは、太陽系以外に惑星など存在しない、などと言われていたのに、今や、「第二の地球」だとか、「生命居住可能性(ハビタビリティ)」だとかが科学者の間で当たり前のように議論されているのだ。

なんともどえらい時代の変わり様である。

だが、この時代の変遷に立ち会うことのできるワクワク感は、科学者ならではの楽しみである。この拙文を読んでいる皆さんには、このワクワク感だけでも伝われば幸いである。
そしてせっかくなのでYahoo!ニュースなどに注目しておいてもらえると嬉しい。12月4日の週に惑星に関するニュースが発表されたら、おそらくはこの会議での内容なのだ。

ちなみに会議のレポートや我々の予想の答え合わせは、実際にこの会議に参加する「理の惑星」メンバー、堀 安範氏に任せてあるので、乞うご期待!

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