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異界に想いをはせて

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異界に想いをはせて

今回はいつもと少し趣きを変えて、『理の惑星』デザイン担当の宮本より僭越ながら書評などを寄稿させて頂く。

2012年3月。『理の惑星』のアドバイザーをしてくださっている井田先生の本が刊行された。

ちくまプリマー新書『系外惑星』

はじめに言ってしまえば、この本は読み手に答えを丁寧に指し示すような本ではない、というのが私の所感だ。ならば何か。この本は、読み手に疑問を投げかける本、である。

広大な宇宙に点在する『惑星』。私達の住むこの地球もまた、惑星である。しかし20世紀後半、つまり最近まで、私達は惑星の事を何ひとつわかっていなかった。

だが観測技術の急成長により、状況は変わった。観測できないが故に「存在しない」と結論づけられそうになっていた、系外惑星(この太陽系以外の惑星を意味する)が次々と見つかるようになり、近頃では生命がいる可能性のある惑星の見当までもがつきはじめている。

そういったこれまでの研究の歴史と成果に、大変興味深い筆者自身の体験を添えて、この本は綴られている。その背景を、見え隠れする理を、知れば知るほどに私たちは結局、『無知の知』に辿り着いてしまう。未だ明かされぬ多くの謎を突きつけられてしまうのだ。

宇宙の話は普段の暮らしとはスケールが異なりすぎて、実感として何かをそこから感じる事は難しい。しかし、だからこそ良いのだと思う。

映画にもなったミヒャエル・エンデの名作『はてしない物語』で、少年が本の中の異世界に想いを馳せたように、人は『ここではない何処か』に強く心を惹かれる。

そして宇宙とは近くて遠い『ここではない何処か』であり、実在する異界だ。この本に記述されているすべてはノンフィクションである。宇宙という舞台における、惑星という役者たち。その舞台裏と素顔に迫るドキュメントなのだ。

惑星の謎そのままに、本の中身は決して易しくはない。だからこそ少しずつ大事に読み進めたい、宝物のような本である。

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