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日食と系外惑星観測

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日食と系外惑星観測

今年の5月21日に起こった金環日食は世紀の天体ショーとして実際に目にされた方も多いことと思う。日食は太陽、月、地球が一直線上にならんだ瞬間(地球が月の影に入った時)に起きる。

では、なぜ金環日食と皆既日食という違いが生まれるのだろうか。

これは月は地球の周りを周回しているが、その軌道は楕円を描いており、地球から遠ざかったり近づいたりを繰り返しているからである。
地球に近くなっている時に日食が起きると皆既日食になり、逆に遠ざかっている時に起きると金環日食になるのだ。

ところが、このように皆既日食が起こったり金環日食が起こったりするのは偶然で、月が丁度よい距離にいるからこそ、このようなことが起こるのだ。
事実月は徐々に地球から遠ざかっており、現在ちょうどあの距離にあり、遠い昔には、もっと地球に近い軌道を回っていたのである。
例えば恐竜が生きていた時代には、月の見た目はもっと大きく、金環日食は起きなかったはずである。
その意味では、我々があの美しいリングを見れる時代に生きていることは、ラッキーな事なのかもしれない。

さて、この日食と同じ現象で系外惑星の観測を行うのがトランジット法だ。

トランジット法では遥か遠く離れた恒星と地球の間を惑星が通り抜けた時に起きる「恒星食」を観測する。
この時惑星が恒星からの光を遮る分、わずかだけ恒星が暗く見えるのだ。
惑星は自ら光らないため、その影を探すというわけである。
どれぐらい暗くなるかは惑星の大きさで決まるため、この観測から惑星の半径がわかるというのが、トランジット法の大きな特徴である。

先日のコラムでもお知らせしたとおり、宇宙望遠鏡Keplerがこの方法で1000個以上もの惑星候補天体を検出したというニュースが記憶に新しい。
2年間で千個以上ということは毎日(系外)恒星食が起こっていることになるが、残念ながら我々の肉眼ではとても見えないため、Keplerが毎日せっせと宇宙空間から観測してくれているのだ。

さて、最後にもうひとつの天体ショーについてお知らせしたい。

明日14日の早朝に月が金星を隠す金星食がみられる。
14日の3時〜4時の約1時間にわたって月の後ろを通って金星がもう一度顔を出す様子が見られると思う。
詳細は国立天文台の以下のページが詳しい。
http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20120814-lunar-occultation/about.html

オリンピックで夜更かしが続いた方は、是非、夜空で繰り広げられる天体ショーも眺めてみてはいかがだろうか?

立浪千尋(東京工業大学 理工学研究科 地球惑星科学専攻)

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