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複数の太陽が見える惑星

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複数の太陽が見える惑星

地球には、太陽は一つ。
東の空から昇り、西の空に沈む。

数年前まで、太陽が複数のあるような惑星は、SF映画の世界のなかだけのお話でした。
しかし、2009年にNASAが打ち上げた Kepler宇宙望遠鏡によって、なんと2つの太陽(= 連星(※1)と呼ぶ)の周りを回る惑星(= 周連星惑星と呼ぶ) Kepler-16(AB)b (※2) が発見されました。
もし、私たちがこの Kepler-16(AB)b に住んでいれば、大小 2つの太陽が昇り、沈み行く神秘的な光景が見えるんでしょうね (図1の左上 参照)。

その後、Kepler-34(AB)b (※3), 35(AB)b, 38(AB)b (※4)と次々に発見が報告されています。
2つの太陽の周りに2つ惑星が存在する Kepler-47(AB)b, c (※5) も見つかっています (図1の中央)。

実は、惑星科学者たちにとっては、周連星惑星の発見は驚きではありませんでした。
私たちの住む銀河(天の川銀河)に存在する恒星の約30-50%は連星系 (2つの恒星)として誕生します。
そこで、研究者たちは『周連星惑星は必ず、存在するはず』と信じていました。

今年の2012年には、さらに大きなニュースが2つ飛び込んできました。

1つ目のビッグニュースは、4つの太陽をもつ海王星級の惑星 (PH1)が発見されたことです (図1の左下)。
この惑星は米国の研究者が立ち上げた ウェブサイト「Planet Hunters (※6)」上で、一般の方々 (アマチュア)の協力によって、発見されました。

そして、2つ目のビッグニュースは、私たちの隣りにある星 (太陽系に最も近い恒星)、ケンタウルス座α星(α Centauri 三重連星 : 3つの恒星が互いに重力で束縛し合っている)に、なんと、地球サイズの惑星の発見 (※7) が報告されたのです (図1の右上)。

極めて高精度な観測によって発見された地球サイズの惑星は、周期3.2日と恒星に非常に近い位置にあるため、残念ながら、灼熱の世界になっているでしょう。
これまでに発見された周連星惑星も、天王星・海王星のような氷惑星や木星のようなガス惑星であることが分かっています。
そのため、表面に液体の水が存在し、生命を育む「第二の地球」のような惑星はまだ、見つかっていません。

しかし、2つの太陽が昇る アナキン・スカイウォーカー (Starwarsの主人公)の故郷「Tatooine」(図1の右下)や太陽が3つあるような ナメック星 (ドラゴンボールのピッコロ大魔王の故郷)は、いまや、SF映画の世界の仮想の惑星ではなくなって来ています。
近い将来、「夜の無い惑星」なんていうものまで発見されるかもしれません。

今まさに、この時代、この瞬間も、不思議で神秘的な惑星は増え続けています。
皆さんにもその感動と衝撃、ぜひ一緒に楽しんで頂ければ嬉しいです。

堀 安範(国立天文台 理論研究部)

  • ※1 連星 : 2つの恒星が互いに重力で束縛し合っている明るい方の星を「主星」、暗い方を「伴星」と呼んでいます。例えば、Kepler-16では、主星 Kepler-16A, 伴星 Kepler-16Bと表します。惑星の表記は、発見順に アルファベット b, c, d…と割り振られます (a は惑星が回っている星を意味するので、bからスタートです)。こうして、連星 Kepler-16で見つかった惑星は、「Kepler-16(AB)b」となります。
  • ※6 Planet Hunters : www.planethunters.org
    Kepler宇宙望遠鏡のデータ(= 光度曲線のグラフ)を一般の方々に見てもらい、ゲーム感覚で惑星の兆候を探し当ててもらうプロジェクトです。※ 詳しく知りたい方には、以下の参考論文 : (注) 英語です
  • ※2 Kepler-16(AB)b : Doyle et al. Science (2011)
    Kepler-16: A Transiting Circumbinary Planet
    (URL) http://www.sciencemag.org/content/333/6049/1602
  • ※3 Kepler-34(AB)b, Kepler-35(AB)b : Welsh et al. Nature (2012)
    Transiting circumbinary planets Kepler-34 b and Kepler-35 b
    (URL) http://www.nature.com/nature/journal/v481/n7382/full/nature10768.html
  • ※4 Kepler-38(AB)b : Orosz et al. The Astrophysical Journal (2012)
    The Neptune-sized Circumbinary Planet Kepler-38b
    (URL) http://iopscience.iop.org/0004-637X/758/2/87
  • ※5 Kepler-47(AB)b : Orosz et al. Science (2012)
    Kepler-47: A Transiting Circumbinary Multiplanet System
    (URL) http://www.sciencemag.org/content/337/6101/1511
  • ※7 α Centauri Bb : Dumusque et al. Nature (2012)
    An Earth-mass planet orbiting α Centauri B
    (URL http://www.nature.com/nature/journal/v491/n7423/full/nature11572.html

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