理は、ささやかな日々の中で息を潜めている。この街の、無数の物語。それは惑星の秘密へと繋がる道。

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時間を持て余す夏の晴れた午後、無駄。(中質量星周りの惑星形成)

物語に隠された、惑星の秘密

時間を持て余す夏の晴れた午後、無駄。(中質量星周りの惑星形成)

先生はまた同じことを私に言い始めた。これで何度目だろうか。

「いいかい、肥え太っている者は大体が世にはばかるものだ。周りから与えられるものが多かったばかりに、ますます貪欲に物を食うようになる。周りの物はことごとく食いつくされるが、代わりにムンムンと熱気と臭いが周囲に立ち込める。とても誰かがそばにいられる状況ではない。さらにそうやって大量の物に囲まれていると、そのおこぼれに与かろうとこれまたよく食べる連中が周りに集まってくる。だから肥えている者の周りには肥えている取り巻きが多いのだよ。でも取り巻きは少し賢いので、その者から離れたところにある物を食う。結局、彼らは自分が沢山食べたいがために、お互い手の届かない距離を置いて牽制しながらの関係を続けることになるのだ」

先生は茶をすすった後、続けた。

 

「だが、そのような不摂生極まる者たちというのは、得てして短命だ」

「結局、太っている者は食べ続けないとすぐに身体に蓄えてるエネルギーを消化して、力尽きてしまうからですよね。以前も拝聴しました」

「ふん、やっと分かってきたか」

私の横やりに先生はつまらなさそうに鼻を鳴らした。

教え子の反逆を喜ばないということは、要するに自分が喋りたいだけなのだろう。 午後一発目のこの先生の講義を受けているのは私一人だ。実に幸いなことに、いまだ眠らずにすんでいる。この後に講義はないので、釣りでもしに行こうか。

今日も一応、平和である。

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【解説】中質量星周りの惑星形成

恒星は分子雲と呼ばれる巨大なガスと塵の雲の一部が重力によって集まった結果、中心部が高温高圧となり、水素の熱核融合反応を行うに至った天体のことである。

恒星となる前の分子雲の質量によって、恒星の質量も様々に変化しうる。
現在、系外惑星は太陽質量の数倍といった中質量の恒星周りにも存在することが分かっている。
このような重い恒星が形成される際には、当然材料も相当に必要とされる。
それらは、形成段階の恒星の周囲で円盤として存在していると考えられる。

惑星がこの円盤から形成されると考えれば、惑星の材料もまた、豊富にあると言って良いだろう。
この場合、惑星の質量は木星の数倍といった大きな質量を持ちやすい。(かもしれない)

また、太陽よりも質量が大きい恒星は太陽よりも格段に短命であると考えられている。
燃料である水素ガスの核融合反応速度が大きいため、すぐに枯渇してしまうのである。

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