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旅路(ニースモデル)

物語に隠された、惑星の秘密

【解説】ニースモデル

「ニースモデル (Nice model)」 とは、フランスのニースにあるコート・ダ・ジュール天文台に集う研究者達が新しく提唱した、「太陽系の惑星形成 最終段階に、木星・土星・天王星・海王星の4つの惑星が大きく軌道変化した」とする説です。

従来の惑星形成モデル (京都モデル)では、太陽系の外側にある4つの巨大惑星 (木星・土星・天王星・海王星)は現在の位置、「その場」で誕生したと考えられて来ました。しかし、「その場」形成では、遠くにある天王星や海王星が出来上がるために、何十億年もかかってしまうという困難がありました。

そこで、天王星や海王星は一旦、現在の位置よりも太陽に近い場所で出来てから、何らかの理由で現在の場所まで移動して来たのではないかと考えられるようになってきました。このアイデアを発展させたのがニースモデルです。ニースモデルでは、現在よりも非常に狭い軌道間隔で木星・土星・天王星・海王星の4惑星が並んでいた場合に、数億年で4惑星が現在のような軌道範囲に拡大するということを示しました。

このようなことが起きると、周囲に存在していた小惑星を弾き飛ばすことで地球や月に大量の隕石を降らせたり、より遠くの小惑星たちの軌道を変化させたりすることが起こります。実際、そのような痕跡を示唆する観測結果も得られています。例えば、海王星と冥王星の軌道関係やTNOs (海王星以遠天体)の軌道分布は、「海王星の移動」を支持しています。

また、月のクレーター年代学が示唆する、太陽系誕生から約 7-8億年後に突如、大量の隕石爆撃が月を襲ったイベント (後期重爆撃期)をニースモデルではうまく説明することが出来ます。

このように、太陽系の起源を説明する有力なシナリオの一つなのですが、実際にそのように非常に狭い軌道範囲に4つの惑星が形成されるかどうかは、今後のより詳細な研究が待たれる状況です。

※ 最近、木星・土星が一度、火星軌道付近まで移動した後、木星・土星が引き返して来たことで、ニースモデルが予想する「狭い軌道範囲に並ぶ4つの惑星」の配置になったとする「Grand Tack」仮説が提唱されています。

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