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草野球ウォーズ(巨大衝突)

物語に隠された、惑星の秘密

草野球ウォーズ(巨大衝突)

我が草野球チームはついにランキング7位まできていた。

このチームの土台は同期の高校の野球部メンバー達。だから俺がこのチームを作る際に最も重要視した点はチームワークの良さだ。メンバーの一人ひとりが楽しんで野球をする。そんなチームを目指そうと考えこのチームは出来た。

結成当初は毎回試合ができるかどうかのチーム事情だったが、勝ち星が増えるにつれ徐々にメンバーも増えて行った。
そして予想に反し、俺たちはいつの間にか少しは名の知られたチームとなっていた。すると勝ち星が呼び水となり、続々と強力な選手が入部してくる。そしてそれに比例するように、チーム成績も伸びていっているように見えた。

だがその後、壁に突き当たった。

チームのレベルが上がってくると、対戦相手もレベルが高くなってくるからだ。いつしか対戦相手には甲子園で活躍したヒーローから、元プロ野球選手など、そうそうたるメンツが揃うようになっていた。俺たちはなかなか戦績が振るわなくなっていた。

このままではジリ貧だ。

俺は当初重要視していたチームワークのことを忘れ、どうにか勝てるチームを作ることばかりを考えるようになっていた。

そんなとき、俺たちと熾烈を競っていた二つの草野球チ ームが急遽合併したのである。合併したチームは一気に一大勢力となり、草野球界を席巻した。

ここで俺たちも大きな決断に出た。投手力を誇っている我がチームと、打線に定評があるチームとで合併したのである。これだけの戦力が揃えば十分に奴らとも渡り合える。

しかし俺の思惑とは裏腹に、チーム結成当初からいたメンバー達の思いはチームから離れていた。結局合併とほぼ同じくして、多くのオリジナルメンバーはチームを離れ、新しく少人数のチームを作った。

いつの間にか当初のメンバーのいない巨大なチームを創り上げることになった俺は、幾許の孤独を感じつつも、新しいチームでの勝ち星を強固なものにするため、今日も新戦力を探しまわっている。

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※惑星生成シミュレーターの『巨大衝突』の制限が解除されました。

【解説】巨大衝突

惑星形成の終盤では地球の約10分の1程度の火星サイズの惑星が10個ほど並び、それらが軌道交差することによって、大規模な衝突が起こったと考えられています。

この衝突のことを巨大衝突と呼びます。

まずは惑星の成長の仕方を微惑星(惑星の赤ちゃん)の段階から見てみましょう。惑星が出来る前は太陽の周りに、微惑星という小さな固体の集まりが無数に回っています。ここである微惑星が周りの微惑星とくっついて大きくなると、大きくなった微惑星は重力が強くなり、周りの微惑星を引きつけやすくなることで、さらに太りやすくなります。このように大きくなった微惑星はさらに成長しやすくなるので一回大きくなりだすとどんどん成長するようになります。

しかし火星サイズまで成長すると、大きくなりすぎた重力が微惑星を引きつけるよりも振り回す効果の方が勝ってしまうようになります。
振り回される微惑星を食べることができなくなった原始惑星は、火星程度の質量で成長が頭打ちになり、一旦火星サイズの惑星がたくさん並ぶことになるのです。

このようにたくさんの原始惑星が並んだ状態はある程度時間が経つと軌道が不安定になっていきます。そして、ある時一つの原始惑星の軌道は大きく歪み、他の惑星の軌道と交差して、お互いがぶつかってしまうのです。

このような衝突を繰り返して、原始惑星は断続的に成長していきます。
そして地球が最後の衝突を経験した時に、月の元となる物質が原始地球の周りにばらまかれたというシナリオが、月形成の巨大衝突説と呼ばれています。

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